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司法書士 Sharon legal office



相続が発生したけれど、相続人がいないという場合、

遺産は最終的に国に帰属します


おひとりさまの増加に比例するかのように、

国庫帰属財産も増加傾向にあり、

令和3年度は647億円と過去最高を更新しました


20年前の約6倍とのことです


おひとりさまの相続は、相続人を探すことからスタートします

遺産がいきなり国に帰属するわけではなく、

利害関係人や検察官の請求により、家庭裁判所が相続財産清算人を選任し、

相続財産清算人が相続人を探したり、遺産の管理、清算などを行います


相続人がいないことが確定すると、

特別縁故者(生前に被相続人と生計を共にしたり、被相続人の療養介護に努めたりした者)

への財産分与を経て、

残りの財産があれば国へという流れになります


それはそれで構わないというおひとりさま、

自分で決めておきたいわ~というおひとりさま、

いろいろな方がいらっしゃると思います


もし、お世話になったあの人へ、故郷の市町村へなど、

ご自身の財産の行方を考えているのであれば、是非、遺言を遺して下さい

遺言があれば、あなたのお考えのとおりに財産の行く末を決めることができます


 


日本における成年(成人)年齢は、明治時代から約140年間、20歳とされていました

令和4年、民法が改正され、18歳に引き下げられました

学生も、社会人も、18歳の誕生日を迎えると成年となります


あれから、早くも2年、

改めて、成年年齢の引き下げが及ぼす影響について確認してみましょう


成年と未成年、何が変わるのでしょうか


まず、成年に達すると、親の同意を得なくても、自分の意思で様々な契約ができるようになります

携帯電話を契約する、

一人暮らしの部屋を借りる、

クレジットカードをつくる、

ローンを組む、 

といった各種契約を自分一人でできるようになります


一方、未成年者の場合は、親の同意が必要です

もし、親の同意を得ずに契約した場合、

民法で定められた「未成年者取消権」によって、その契約を取り消すことができます

未成年者は、判断力や社会経験に乏しいため、法的に保護されているのです


成年には、取消権はありません


保護がなくなったばかりの18歳を狙っている悪質な業者も存在します

最近流行りの投資詐欺も18歳や19歳の被害をよく聞くところです

「みんなやってるよ。」などといった甘言に惑わされることないよう契約は慎重に




 


4月1日、相続登記が義務化されました

従来は、義務ではなく、登記をするかどうかは相続人の判断に委ねられていました


しかし、昨今、長らく登記がされていないために、

不動産登記簿を見ても現在の所有者が判明しない土地(所有者不明の土地)が増加し、

災害からの復旧、民間の土地活用、公共事業の妨げなどの問題を引き起こすようになりました


そこで、所有者不明の土地や空家問題の抜本的な解決策の一つとして、

相続登記が義務化されることになりました


具体的には、

不動産の相続人は、

”自身が不動産を相続で取得したことを知った日” から3年以内に

相続登記をする必要があります


遺産分割(相続人間の話合い)で不動産を取得した場合も同様に、

遺産分割から3年以内に遺産分割の内容に応じた登記をする必要があります


この制度は、令和6年4月1日から始まりましたが、これ以前に発生した相続も対象となります

令和6年4月1日より前に相続した不動産は、

令和9年3月31日までに相続登記することが必要となりますので、ご留意下さい


上記の義務に違反すると、行政上のペナルティが課されることも決まっています

正当な理由なく相続登記をしなかった場合は、10万円以下の過料の対象となります


不動産を相続したら、早めに登記をしましょう



先日、戸籍を確認していると、父母と養父母の氏名が同じという記載がありました

一瞬、同姓同名かとも思いましたが、そんなわけありません

戸籍の記載をよく読んでみると、実父が実子と養子縁組をしていました

実子と養子縁組とは?


昔の戸籍には、養子縁組の記載がとても多いです

明治より更にさかのぼる江戸時代の養子率は、30%を超えていたそうです

武士の家系では、後継ぎがなければ、お家断絶となってしまいますから、

養子縁組は、家制度の維持には欠かせないアイテムだったことが判ります


 明治に創られた民法は、家制度が色濃く反映されていました

そのひとつが、

婚姻をしていない父母の間に生まれた子(非嫡出子)と婚姻中の父母の間に生まれた子(嫡出子)

の相続分です

具体的には、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1とされていました


この相続分の差は、

憲法に規定される法の下の平等に反するのではないかとの議論が度々巻き起こる中、

平成25年9月、最高裁は、違憲の判断をしました


これを受けて民法が改正され、現在、嫡出子と嫡出でない子の相続分は同じとなっています


ということを踏まえると、

平成25年以前は、嫡出子と嫡出でない子の相続分を同じとする方法の一つとして、

嫡出でない実子と養子縁組することに意義がありました

養子縁組により、嫡出でない子は嫡出子となるからです


相続分の差、非嫡出子の身分関係、ほんの10年前までのことです

考えさせられます 



先日、NHKの朝ドラでヒロインを演じた女優さんと共演した俳優さんが事実婚を発表されました

お二人曰く、

「現状、入籍することは考えておらず、必要なタイミングが来たら話し合って決めたい」とのこと

なんて新しい、なんて素敵、これが令和の家族のカタチなのでしょうか


事実婚とは、法律婚と対になる婚姻関係の概念です

婚姻届などの手続きはしないけれど、

お互いに結婚の意思を有し、共同生活を営んでいることと定義されています

近年、法律婚と同じように、

遺族年金を受け取ったり、健康保険の扶養に入れることができるようになっています


しかし、これらの法的な手続きやサービスを受ける際は、

婚姻届を出していないがゆえに、

事実婚の証明が必要となる場合があります


そこで、有効な証明方法が住民票です

住民票には、氏名、住所、生年月日とともに、

世帯主から見た“続柄(つづきがら)” が記載されます


法律婚の場合、

夫を世帯主と決めたとすると、他方の続柄は「妻」と記載されます


事実婚の場合は、

夫を世帯主とすると、「妻(未届)」と記載されます


この「(未届)」の記載により、

婚姻の意思がありながら法律上の手続きを行っていない事実婚であること

を証明することができます


ちなみに、世帯主は、夫とすることが多いですが、もちろん妻でも構いません

妻が世帯主の場合は、「夫(未届)」となります


最後に、事実婚と法律婚の違いとして、

相続権が発生しない、

税制上の優遇がない、

子どもが生まれた場合に原則母だけの単独親権となる、 などがあります



父親が生前に遺言を作成したことは聞いているけれど、探せど探せど見当たらず…

こんなとき、遺言書が公正証書で作成されていれば、公証役場で探してもらうことができます


遺言公正証書は、

・遺言者の死亡後50年、

・証書作成後140年、

・遺言者の生後170年間、保存する取扱いとなっています


また、遺言者の氏名、生年月日、作成年月日などの情報がデータベース化されていますので、

昭和64年1月1日以降の作成であれば、検索ができるようになっています


しかも、作成した公証役場が判らなくても、全国どの公証役場でも検索することができます

とても便利になっています


ただし、公正証書遺言の検索は、

遺言者生前中は、遺言者本人しかできず、推定相続人でも検索の請求をすることはできません


また、遺言者の死亡後も、

検索の請求ができるのは、法定相続人・受遺者・遺言執行者など利害関係人に限られています


 公正証書遺言を作成したけれど、内容は明らかにしたくないという場合は、

1.公正証書で遺言を作成していること、

2.公証役場で検索できること、

この2点を相続人へ伝えておくとよいでしょう



遺言執行者とは、遺言に基づいて相続に関する手続きを進めていく人です


具体的には、

銀行口座の名義変更や解約手続き、

不動産の所有権移転登記、

財産の遺贈手続き などを行います


 手続きをスムーズに進めるには、遺言執行者を選任しておいたほうがよいですが、

必ずしも決めておかなければならないというわけでありません


遺言執行者が必須となる場面は、

①推定相続人の相続廃除

②子の認知

の2つです


上記以外の執行は、遺言執行者でなくても行うことができます

遺言執行者がいない場合は、相続人全員で相続手続きを行います


遺言執行者を指定・選任するには、次の3つの方法があります

 ① 遺言者が遺言書の中で指定 ← オーソドックスです

 ② 遺言書の中で遺言執行者を指定する人を決めておき、その方に決めてもらう

 ③ 家庭裁判所に選任してもらう 


遺言執行者は、未成年者と破産者以外であれば、誰を指定しても構いません

ご家族やご友人でもよろしいですし、

専門家である弁護士や司法書士などに依頼することもできます


あなたの大切な遺言の実現、誰に託しますか?



 

夫が亡くなり、妻が生命保険金を受け取りました

この保険金は、他の相続人にも分配しなければならないのでしょうか?


 生命保険金は、原則、受取人固有の財産です

相続財産ではありませんので、遺産分割の対象とならず、分配の必要はありません

 例外として、受け取った保険金が相続財産に比して多額であり、

他の相続人との間に著しい不公平が生じるような場合は相続財産として扱われます


最高裁によれば、著しく不公平かどうかは、

以下の要素を総合的に考慮して判断するとされています

  ①保険金の額

  ②保険金額の遺産の総額に対する比率

  ③相続人と被相続人の関係(同居の有無、介護等に対する貢献度など)

  ④各相続人の生活実態

 

たとえば、相続財産が1000万円であるのに対し、生命保険金が9000万円という場合、

②の要件だけみると不公平のような気もします

しかし、最高裁は、②以外の要件も総合的に判断するとしています

受取人である相続人が長年に亘り一手に介護を引き受けていたというような場合には、

上記金額であっても著しい不公平とはいえないケースもあるということです


 保険金の受取人を指定することは、被相続人の意思の表れです

金額だけを見て、公平不公平を論じることのないよう、

被相続人の意思を最大限尊重することが大切です


 


遺言は、あなたがお亡くなりになった後に、その効力を発揮します

存在が明らかとなって、はじめて日の目をみるのであって、

見つけてもらえなければ、その力は発揮されません

見つけてもらうためには、保管場所がとても重要です


遺言の種類ごとに、保管場所を検討してみましょう

 

公正証書遺言の場合は、

原本は遺言を作成した公証役場に保管されます

相続人に対しては、遺言を作成した公証役場の場所を伝えておけば十分です


自筆証書遺言の場合は、

遺言者の判断で保管場所を決めることになります

改ざんや破棄を防ぐためには、

利害関係のない第三者へ保管を依頼することが望ましいです

具体的には、ご友人や専門職である士業、信託銀行などです

もう一つの有力候補は、法務局です

3年前に運用が始まった自筆証書遺言保管制度を利用します

改ざんのリスクゼロ、

コスト面でも信託銀行などと比べて圧倒的に安価、

さらに自筆証書遺言であるにもかかわらず検認の手続きも不要 という優秀さです


遺言の作成を検討されているのであれば、内容と併せて、保管場所にもご留意を



 


先日、市の広報誌に市営墓地についての記事がありました


納骨や改葬、使用者の死亡による承継等には手続きが必要、

使用区画の清掃や草刈りなどの維持管理は各自で行いましょう、とのこと

お盆に時期に合わせてのアナウンスですね


ところで、“改葬”をご存知ですか?

改葬とは、お墓を引っ越すことです

昨今増加傾向にあり、年間11万件を超えているそうです

都市部への人口移動や少子化により、お墓の管理が難しくなっていることが要因です


また、管理を子供たちに託したくないなどの理由から、

お墓を片付ける“墓じまい”をする方も増えています

こちらも年間12万件を超えており、15年前に比べて倍増しているそうです


 お墓以外の供養の方法としては、合同墓や樹木葬、散骨などがあります

ライフスタイルの変化に伴い、お墓に対する考え方も変わりつつあります

令和の現在、供養の仕方もそれぞれ、お墓のかたちもそれぞれですが、

亡くなった方を偲ぶ気持ちは、いつの時代も変わりません


 

子供のいないご夫婦は、お互いに相手が亡くなったとき、

遺産の全部を自分が相続するものと考えます

夫婦で築いた財産ですから当然です


しかし、法律は、そのようにはなっていません

現在の民法は、夫婦に子供がいない場合、配偶者と共に、亡くなった方の親にも相続権があります

親よりも上の世代が亡くなっている場合は、兄弟にも相続権が発生します


夫婦で築いた財産について、

相手の親や兄弟に相続権があることに違和感を持つ方も多いと思います

実は、この規定、明治時代につくられました

当時は、家制度により、親や兄弟とは経済的にも強い結びつきがありましたから、

子がいなければ、親や兄弟が承継することが自然でした

しかし、現代は、親兄弟といえども、婚姻により別世帯となります

親や兄弟と経済的な強い結びつきはありません

結びついていないのに、相続権があること、これが揉める原因となっているように感じます


個人的には、子供のいない夫婦の相続人は、残された配偶者だけでよいのではと思います

遺産の中にご夫婦で築いた財産ほかに、

親から受け継いだ財産がある場合は、一定の配慮も必要かもしれませんが、

私自身は、自分の息子や娘、或いは兄弟姉妹が、配偶者と築いた財産に対して、

法定相続分を主張するようなことはしたくないなと思います


皆さんは、どのようにお考えになりますか? 


法務省は、インターネット上で作成・保管できる遺言システムの検討を始めたそうです

来年3月を目途に、新制度の提言を行うとのことです

デジタル化の波がとうとう遺言にも到達したのね~と感慨深いです


 新制度と現行の自筆証書遺言と比べてみると、

 ① 自筆不要→ネット上のフォーマットに従って入力

 ② 押印不要→電子署名で代替

 ③ 紙保管→クラウド上に保管、ブロックチェーン技術で改ざん防止

 となっています


ちなみに、 海外の対応は、

米国では、19年に電子遺言書法が制定されています

導入は、州ごとの判断に委ねられており、

フロリダ州やネバタ州では既に運用がされています


欧州では、ドイツやフランスなど、

未だデジタル形式や録音などの遺言は認められていません


アジア圏では、韓国は録音による遺言が有効とされているようです


遺言は、円滑な相続のために有用なアイテムです

選択肢が広がることにより、更に身近で使いやすい制度となることが期待されます